PriforX
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2007/9
Version 1.11
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目次
はじめに
「PriforX」は、用紙の印刷したいところに、印刷したいものを印刷する、
いわゆる「あて打ち」をするためのソフトウェアです。
スキャナで取り込んだ用紙の画像などに、文字や画像を重ねていくだけで、
用紙のその場所に印刷できます。
エクセルなどの表計算ソフトで作ったデータを使って、同じ場所に違う文字を印刷していく、
連続印刷機能もあります。
CSVデータ領域と画像領域は、データコレクションのデータ・画像とのリンクとして管理されるので、
領域を動かすことなく、別のデータ・画像に切り替えることができます。
さらに、用紙の大きさやプリンタの印刷可能範囲を常に確認しながらレイアウトできるので、
簡単なチラシ作成などにも使用できます。
編集画面の白地に太いオレンジ色の縁取りが、プリンタで設定されている用紙のサイズ、
その内側の水色の線が、プリンタの印刷可能範囲です。
主な機能
印刷 |
[印刷できる項目]
テキスト領域(任意の文字列)
CSVデータ領域
画像領域
[補正]
位置(mm指定、縦、横)
大きさ(パーセント指定、縦、横)
補正値の算出
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連続印刷機能 |
CSVデータ領域(ページとCSVデータの行が対応)
テキスト領域、画像領域(全ページ同じ)
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データコレクション |
[データの取り込み]
CSVファイル
[画像の取り込み]
TWAIN対応スキャナー
Bitmapファイル、Jpegファイル、拡張メタファイル
ドラッグアンドドロップによるファイルの読み込み
背景画像の指定
CSVデータ、画像の簡易表示
データの差し替え
画像の印刷
画像の回転(90度単位、但し回転後はJpeg形式に変換)
個別保存(CSV、Bitmap、Jpeg、拡張メタファイル)
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領域の作成 |
マウスドラッグ
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領域の編集 |
マウスドラッグによる位置と大きさの変更
数値による位置と大きさの指定
位置あわせパレットによる位置と大きさの統一
クリップボードへのコピー
クリップボードからの貼り付け
位置とサイズの固定
重なり合いの前後関係の変更
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テキスト・CSVデータ領域の編集 |
複数行
自動改行
文字間隔
フォント
位置(上・下・左・右・中揃え)
枠線・対角線(太さ、形状、線の種類、色)
領域の塗りつぶし(色、模様)
CSVデータの切り替え(CSVデータ領域のみ)
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画像領域の編集 |
画像の切り替え
縦横比保持/非保持でのサイズ変更
描画方法(上書き、重ね合わせ)
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その他 |
編集画面の縮小・拡大表示(25%〜400%)
プリンタの用紙サイズと印刷可能領域の表示
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スキャナから直接
多くのスキャナは、「TWAIN」という規格に対応しています。
「PriforX」は「TWAIN」に対応した機器から、直接画像を受け取ることができます。
画像はJPEG形式で「データコレクション」に追加されます。
連続印刷機能
「Microsoft Excel」など、いわゆる表計算ソフトの多くは、データを「CSV形式」で保存できます。
やり方は簡単で、「名前を付けて保存」するときに「ファイルの種類」に「CSVファイル(*.csv)」や、
「テキストファイル(*.csv)」などを選んで保存するだけです。
「PriforX」は、そのようにして作成された「CSVファイル」を使って、
データを位置合わせしつつ連続して印刷することができます。
一度に複数の「CSVファイル」を使用することもできます。
補正値計算機能
画面上ではきちんと位置合わせしていても、印刷したらずれていることがあります。
スキャナで読み取るときに、用紙がずれていると、
それにあわせて文字などを配置しても、印刷結果がずれてしまいます。
スキャナで読み込んだ画像には普通、読み込んだときの解像度が記録されています。
このスキャン時の解像度が正しく得られないと、正しい印刷結果が得られません。
ところが、画像を編集した場合、使用したソフトウェアや編集の内容によっては、
このスキャン時の解像度が保存されなかったり、
あるいは、編集したときのディスプレイの解像度に置き換わってしまいます。
このような場合には、何%の大きさで、何mmずらして印刷するかを、
縦方向と横方向それぞれに指定する「補正」を行わなければなりません。
「PriforX」には、「本来あるべき位置」と「そこからのずれ」を、実際の印刷結果から測って、
それを入力するだけで、補正値を計算して設定する機能が付いています。
PriforX ドキュメント
「PriforX」での編集結果をファイルに保存する場合、拡張子は「.pxf」となります。
初回起動時に「ファイルの関連付け」を行うように設定すると、エクスプローラーなどでは、
拡張子「.pxf」のファイルの「ファイルの種類」は「PriforX ドキュメント」となります。
この文書では、ファイルの関連付けを行うか否かにかかわらず、
「PriforX」で保存する拡張子「.pxf」のファイルを「PriforX ドキュメント」とします。
「PriforX ドキュメント」にはデータコレクションのデータも保存されます。
ですから、「PriforX ドキュメント」を保存した後は、元の画像ファイルやCSVファイルを削除しても、
「PriforX」の表示や印刷には影響しません。
また、「PriforX ドキュメント」を別のディレクトリやコンピュータに移動するときに、
元の画像ファイルやCSVファイルを一緒に移動させる必要はありません。
データコレクション
「PriforX」で使用する画像データやCSVデータは、まず「データコレクション」に追加されます。
「データコレクション」に追加されたデータは、
ファイル保存時に「PriforX ドキュメント」に一緒に保存されます。
「データコレクション」に追加された各データに対して、「PriforX」の「データコレクション」ウインドウで、
以下の操作を行えます。
- データの差し替え
- ファイルに保存
- 削除
- データ名の変更
- 画像データの印刷
- 画像データの90度単位での回転
新規作成
PriforX本体(Priforx.exe)または、そのショートカットから起動した場合、
新しく編集を始められる状態になっています。
他のPriforXドキュメントを編集中に、新しく編集を始めるにはメニューから
[ファイル(F)|新規作成(N)]を実行します。
編集画面には、現在プリンタの設定で選択されている用紙の範囲と、
プリンタの印刷可能領域を示す枠線が表示されています。
これを変更するには[プリンタと用紙の設定]ボタンをクリックして表示されるダイアログボックスで、
用紙のサイズと向きを選んでください。
用紙画像を取り込む
用紙画像を取り込むには、まず[ファイル(F)|画像・CSV(C)]を実行して
「データコレクション」ウインドウをひらきます。
スキャナから取り込むには、
「データコレクション」ウインドウの[スキャナ]ボタンをクリックして、「ソースの選択」ダイアログで、
どの機器から画像を取り込むか選びます。あとは、スキャナドライバの画面に従ってスキャンしてください。
- 得られた画像は、JPEG形式でデータコレクションに追加されます。
- 画像の縦と横を入れ替えるには、画像を選択して「回転」ボタンをクリックしてください。
すでに、ハードディスクなどに保存してある画像ファイルを使用する場合は「データコレクション」ウインドウの
「画像」ボタンをクリックしてファイルを開くか、エクスプローラーなどからドラッグアンドドロップしてください。
「データコレクション」ウインドウで印刷対象の用紙画像を選択して、「背景画に指定」をチェックすると、
編集画面にその画像が表示されます。
文字列を配置する
用紙の選択が終わったら、印刷したい場所に文字列を表示するための「テキスト領域」を配置します。
ツールバーの[テキスト領域]ボタンをクリックしてから、
編集画面上で配置したい範囲をドラッグします。
- ツールバーの[テキスト領域]ボタンをクリックします
- 編集画面上で、配置したい範囲の左上隅でマウスの左ボタンを押します
- マウスの左ボタンを押したまま、範囲の右下隅に移動します
- マウスの左ボタンを離します。
文字列を入力できる状態になりますので、そこに文字列を入力します。
終わったら、テキスト領域以外の場所をクリックします。
その後も、ツールバーの[選択]ボタンが下がっているときに、
テキスト領域をダブルクリックすると文字列を入力できる状態になります。
テキスト領域を選択した状態で、キーボードのEnterキーを押すか、
右クリックで表示されるメニューの[書式設定]を実行すると、
フォントや文字間隔などを設定するためのダイアログが表示されます。
テキスト領域を選択した状態で、テキスト領域の大きさや位置をマウスでドラッグして変更できます。
CSVデータを使う
CSVファイルを「データコレクション」に読み込んでおくと、
連続印刷機能を利用できます。
- あらかじめ表計算ソフトなどで作成したデータをCSV形式で保存しておきます
- 「データコレクション」ウインドウの[CSV]ボタンをクリックしてファイルを開きます
- [CSVデータ領域]ボタンをクリックして、文字列を配置するのと同様の要領で、「CSVデータ領域」を追加します
- 「CSVデータ選択」ウインドウで、「CSVファイル名」と「列」を選びます
- 編集画面のどこかをクリックします
「CSVデータ領域」には、指定したファイルの指定した列にあるデータが、
1ページ目には1行目のデータ、2ページ目には2行目のデータというように印刷されます。
「テキスト領域」と同じように、ダブルクリックやドラッグで変更できます。
印刷する
プリンタに用紙をセットします。
[印刷]ボタンをクリックして、表示されたダイアログボックスで、
印刷するページの範囲などを設定して印刷してください。
「データコレクション」ウインドウで用紙画像を選択して、[プリント]ボタンをクリックすると、
用紙画像だけが印刷されます。用紙画像にスキャン時の解像度が正しく含まれていれば、
ほぼ正しい大きさで印刷されますので、ためし刷りにご利用ください。
補正
補正が必要になる理由についてはこちらをごらんください。
メニューの[ファイル(F)|印刷補正(R)]を実行すると、「印刷補正」ダイアログが表示されます。
ここで、縦方向と横方向の、サイズと位置の補正値を入力してください。
「印刷補正」ダイアログで「自動算出」ボタンをクリックすると、
「印刷補正値の算出」ダイアログが表示されます。
ここで、実際の印刷結果から測定した「本来あるべき位置」と「本来あるべき位置からのずれ」を、
縦横それぞれに、二か所ずつ入力すると、補正値を計算して、「印刷補正」ダイアログに設定します。
ファイル情報
メニューの[ファイル(F)|ファイル情報(I)]を実行すると、
編集中のドキュメントの情報が表示されます。
一度も保存されていない新規ファイルの場合、作成者名を変更できます。
コメントはいつでも変更できます。
データの差し替え
「PriforX」の「データコレクション」は、CSVファイルと画像ファイルにそれぞれ、
データを識別するためのID番号を与えて管理しています。
そのため、CSVデータについては特に、次のような過程で問題が生じます。
1月分のデータが記録されたCSVファイル"A"を読み込みます。
そのデータをいくつかの「CSVデータ領域」を使って印刷します。
翌月、その「CSVデータ領域」に2月分のデータを印刷しようとして、
1月分のCSVファイル"A"を「データコレクション」から削除し、
2月分のCSVファイル"B"を「データコレクション」に追加します。
しかし、CSVファイル"A"とCSVファイル"B"は、ID番号が違うので、
CSVファイル"A"のデータを表示していた「CSVデータ領域」は全て、
CSVファイル"B"のデータを表示するように変更しなければならなくなります。
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これでは面倒なので、「データの差し替え」機能を使います。
この機能を使うと、ID番号を変更せずにデータだけを新しいものに変更できます。
上記の例では、
- 「データコレクション」ウインドウでCSVファイル"A"を選択します。
- [差し替え]ボタンをクリックしてCSVファイル"B"を開きます。
これだけで、それまでCSVファイル"A"のデータを表示していた「CSVデータ領域」は、
CSVファイル"B"のデータを表示するようになります。
この機能は画像データでも使用できます。
ライセンスキー入力
メニューの[ヘルプ(H)|ライセンス(L)]を実行して表示される「ライセンスキー入力」ダイアログボックスで、
送付されたライセンスキーを入力し[OK]をクリックします。
ライセンスキーは1文字でも間違えると、機能制限が解除されませんので、
送付されたライセンスキーをコピーして貼り付けることをお勧めします。
機能制限が解除されると、メニューの[ヘルプ(H)|ライセンス(L)]は表示されなくなり、
メニューの[ヘルプ(H)|バージョン情報(V)]を実行して表示される「バージョン情報」ダイアログボックスで
ライセンスの種類が表示されます。
スキャナの解像度
高解像度で大きなサイズの用紙をスキャンすると、画像のサイズが大きくなり正常に扱えないことがあります。
特に背景画像として使用する用紙は、印刷位置の目安として画面上で表示するだけですので通常は 100dpi 程度の解像度があれば十分です。
PriforXから直接スキャンした画像であれば低解像度でも背景画像として適切なサイズで表示されます。
(スキャン時の解像度を変更する方法については、スキャナのマニュアルでご確認ください)
「コピー」と「貼り付け」
「PriforX」には2種類のコピーがあります。
CSVデータ領域または画像領域を普通にコピーした場合、CSVデータや画像データのID番号だけがコピーされます。
ですから、貼り付ける側にも同じデータが同じIDで存在しないと、元の文字列や画像が表示されません。
編集メニューから「データを含むコピー」をすると、必要なCSVデータや画像データも一緒にクリップボードにコピーされます。
これなら、貼り付ける側に同じデータがなくても問題ありません。
しかし「データを含むコピー」は、大きなデータをクリップボードにコピーし、
貼り付けるときにはデータが重複していないかチェックするなど、普通のコピーに比べて処理に時間がかかります。
同じPriforXドキュメント内でのコピー・貼り付けには、あまり向いていません。
また、「切り取り」も同じくデータをクリップボードにコピーしますが、
こちらはID番号をコピーする「普通の切り取り」しかありません。
もし「データを含む切り取り」を用意してしまうと、
それが、データコレクションからデータそのものを削除するのか、しないのか、
ユーザーによって直感的な判断が割れてしまうためです。
「元に戻す」と「やり直し」
「元に戻す」と「やり直し」の両機能は、「データコレクション」ウインドウでの操作には対応していません。
例えば、画像"A"を表示している「画像領域」のサイズを変更し、画像"A"を画像"B"に差し替えて、
「元に戻す」を実行した場合、「画像領域」のサイズは元に戻りますが、表示される画像は画像"B"のままです。
INIファイル
PriforX本体(Priforx.exe)を起動すると、本体と同じディレクトリにPriforx.iniというファイルが作成されます。
このファイルには、ファイルの関連付けをするかどうかや、ツールバーの位置などの情報が記録されますが、
ライセンスキーを入力して機能制限を解除すると、
ライセンスキーをコンピュータ毎に暗号化したデータが記録されます。
「PriforX」は、この記録を見て、試用期間が終了していることを確認します。
したがって、このファイルを削除してしまうと、試用期間中であると判断されてしまいます。
この場合、ライセンスキーを入力しなおしてください。
なお、ライセンスキーはコンピュータ毎に暗号化されますので、
Priforx.iniファイルを別のコンピュータにコピーしても機能制限は解除されません。
レジストリ
「PriforX」では、ファイルの関連付けを行うためにレジストリを使用しています。
そのほかの設定はINIファイルに記録されます。
ただし、初回起動時にファイルの関連付けを行わないように設定した場合はレジストリを使用しません。
「PriforX」が使用するレジストリキーは
- HKEY_CLASSES_ROOT\.pxf
- HKEY_CLASSES_ROOT\pxffile
とそのサブキーです。
アンインストール
まず、「PriforX」がレジストリに設定した項目を削除するために、
Priforx本体(Priforx.exe)と同じディレクトリにあるUnpri.exeを実行してください。
その後、インストールされた各ファイルを削除してください。
同じディレクトリ内に他にファイルがなければディレクトリごと削除してください。
関連付けをやり直す
誤ってファイルの関連付けを削除してしまった場合や、初回起動時に関連付けをしないよう設定したものの、
後から関連付けをしたくなった場合、以下の手順で関連付けをやり直してください。
- Priforx.iniファイルをメモ帳などで開きます。
- 「[Registry]」と書かれた行とその下の、「Use=1」あるいは「Use=0」と書かれた行を削除します。
- ファイルを上書き保存します。
- PriforXを起動します。
- ファイルの関連付けをするかきかれるので、「はい」をクリックします。
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